いよいよ2020年、オリンピックイヤーの幕開けですね。
2月8日、バドミントンでショックなニュースが飛び込んできました。
遠征先のマレーシアで1月に交通事故に巻き込まれて負傷したバドミントン男子シングルス世界ランキング1位の桃田賢斗選手が、新たに右目付近を骨折していたことがわかりました。
全治3ヶ月で、復帰戦として出場を予定していた3月中旬の全英オープンの出場は断念し、しばらく治療に専念するということです。
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桃田賢斗選手は「右眼窩底(がんかてい)骨折」
桃田選手は2月3日に東京味の素ナショナルトレーニングセンターで始まった日本代表合宿に参加していましたが、4日にラケットを握った練習を再開したところ「シャトルが二重に見える」と不調を訴えました。
5日に合宿を離れ、7日に専門病院で精密検査を受けたところ、「右眼窩底(がんかてい)骨折」と診断され、8日に手術を受け、手術は成功したと発表されました。
日本代表の朴柱奉(パクジュボン)監督は「驚いています。今後に関しては手術後の経過を見て決めていくことになると思いますが、焦らず回復に専念してほしいと思います。」とコメントしました。
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「右眼窩底(がんかてい)骨折」とは
眼窩底(がんかてい)と呼ばれる、眼球を下から支えている薄い骨が折れることで、交通事故のほか、手や膝、ボールなどが目に当たるなど強い衝撃が加わって起きます。
物が二重に見える「複眼」、目がくぼむ「眼球陥没」などの症状がある場合に手術が行われます。
複視の改善には数週間から数ヶ月がかかるとされています。
桃田賢斗選手の交通事故
桃田選手は1月12日にワールドツアーのマレーシアマスターズで優勝し、翌日の1月13日に空港に向かう途中、乗っていたワゴン車が高速道路で大型トラックに追突し、全身を強く打ったほか、顔を切るなどの怪我をしました。(運転手は死亡)
帰国後の精密検査では、顔面3ヶ所(顎部、眉間部、唇)の裂傷と全身打撲で、それ以外に骨折や内臓の損傷は無く「身体面に異常なし」と診断されていました。
3月の全英オープンでの復帰を目指し、2月3日から都内で始まった日本代表合宿で練習に復帰したところでした。
桃田賢斗選手は東京オリンピック出場確実
東京オリンピックの出場枠は、昨年4月下旬から1年間の国際大会で獲得したポイントで決まります。
桃田選手は世界選手権など8大会で優勝し、国内外の選手を寄せ付けず、2020年4月28日を待たずに、昨年末の時点で既に出場を確実としています。
過酷な五輪レースは、2020年4月28日の世界ランキングで上位16組の出場が決まります。(1カ国からは最大2組)
2019年4月29日から2020年4月26日の1年間の世界ランキングポイントから算出されたランキングによって出場資格が決定する。ただし1カ国・地域から出場できる人数は各種目2名/2組に限られており、さらに2名/2組のうち世界ランキングが下位の選手は、シングルスは16位以内、ダブルスは8位以内でなければ出場権は得られない。この他にも「開催国枠」、「大陸代表枠」といった特別枠があり、基準に当てはまらない選手が出場権を得る場合もある。
桃田選手は手術から1週間ほどでジョギングなど簡単な運動は開始できますが、全治3ヶ月と診断されたことで復帰戦は当初の予定から大幅に遅れる事になりました。
開幕まで半年を切った東京オリンピックに向けた調整への影響が懸念されます。