9月1日は「防災の日」、9月5日までは「防災週間」と言われています。
政府は、地震や台風などの災害に対する備えを家庭でも強化するよう呼び掛けています。
身の回りにあるものや100円ショップのグッズなどを使って実践できる「防災術」についてのご紹介です。
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自然災害への備えの重要性
【お部屋のレイアウトを見直そう】
東京消防庁の調査では、地震によるケガの約3割~5割が、家具類の転倒、落下などによるものでした。
あつお君のように家具の配置や向きを変えることが、重要な地震対策の一つです。https://t.co/F0HXr6aoRZの動画も見てね#あつ森 #ボウサイ島 #家具転対策 pic.twitter.com/EielBgtg4W
— 東京消防庁 (@Tokyo_Fire_D) August 7, 2020
これは、防災に関心を持ってもらうために東京消防庁がSNSで配信した動画です。
いつどこで発生するかわからない地震、さらにこれから台風シーズンを迎え、自然災害への備えが重要となってきます。
防災のスペシャリスト、国際災害レスキューナース・辻直美さんは…

今や日本は災害において安全なところは何一つないので、やはり防災の対策はするべきだと思います。
2018年に発生し震度6弱を記録した大阪北部地震、当時辻さんのお宅はほとんど被害がありませんでした。
同じマンションに住んでいた人の自宅写真と比べると、差は一目瞭然です。

ペットボトルが4本倒れただけです。
私は100円ショップで売っているもので対応してやっています。
100円ショップのグッズなど身近なものでできる防災対策や、地震による被害を軽減するワザを教えてもらいましょう。
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100円ショップのグッズを活用した避難グッズ
防災週間の今だからこそ、改めて知っておきたい「身近な防災術」について、看護師として国内外の様々な災害現場で救命活動にあたる防災のスペシャリスト・辻直美さんに教えてもらいます。
まずは、ライフラインが寸断されてしまった場合に自宅などで避難生活を送ることになった際に役に立つ100円ショップを活用した避難グッズを厳選して紹介してもらいます。

専門のものもあるんですけど、色々試した中で100円ショップで売っているものでも十分対応できるものがたくさんあると確信しています。


これはすごく使えるアイテムなんです。
夏でも、洋服が濡れて水に濡れると体温が落ちてきます。
そういうときにアルミシートを被るだけでかなり体温が保持できます。
私は冬場はベッドの下に敷いて断熱シートの代わりにして暖かくしています。
車の中やカバンの中に入れても邪魔にはならないので、是非探してみてください。


水に入れるとふわーっと広がる圧縮タオルも重宝します。
これはすごく丈夫なので、アウトドアで使うときもいいと思うんですけど、私は普段カバンの中にも2つは入れています。
最後使い切ったらぞうきんにできますから、水が足りない災害地ではすごく使えるアイテムです。
大きさもSからLLまであります。

停電のときに役立つランタンです。
乾電池の使用で連続5時間まで点灯できるということです。
100円ショップのグッズを使った耐震テクニック
2018年に発生し震度6弱を記録した大阪北部地震、当時辻さんも被災されたということですが、同じマンションに住む人と辻さんのお宅のそれぞれの様子を見ると、物の散乱に関して違いがあります。

12階に住んでいるんでマンションとしての揺れはすごかったんですが、物は何一つ落ちませんでした。
100円ショップのグッズなどを使って防災対策をしています。


私の家では、観音扉になっている戸棚の取っ手のところにS字フックをかけて、開かないようにしています。
観音扉の取っ手にS字フックを通すだけでも、地震で揺れた際に扉が開いて中のものが落ちてきてしまうのを防いでくれるということなんです。

防災に傾けすぎると面倒くさくて3日坊主とか1日坊主になりやすいんですが、S字フックを外すのはとても簡単なことなので、逆にやってないと気持ち悪くなってきます。
今はすごくオシャレなものがあるので、インテリアの一部としてあった方が気持ちがいいという風にしています。

家具や家電の下に敷いて転倒や転落を防ぐすべり止めマットです。

これは私の中で必須アイテムなんです。
本棚の下や、冷蔵庫の中には透明のすべり止めシート、キッチンもなるべく収納箱に入れて箱の下にすべり止めシートを両面テープで貼って動かないようにしています。
これだけで全然違います。
全部に貼らなくても手前だけに貼って高さの傾斜をつけるだけで大丈夫です。
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飛び出しを防ぐ皿の重ね方
食器の飛び出しを防ぐ皿の重ね方は、下から「中⇒大⇒小」の順だといいます。
その実験の動画(防災機器検査協会)はこちらです。

中皿と大皿という重ね方をすることで、実は地震のエネルギーを吸収してくれるんですよ。
一番上の小皿は結構動きます。
ガチャガチャしますけど飛び出ることはありませんし、3つが割れることはないんです。
もしも気になるようなら、キッチンペーパーやすべり止めシートの端切れを間にはさんでもらってもOKです。
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水の備蓄方法
次に、水の備蓄方法についてです。
Q:大人1人が1日で必要な水の量は3Lと言われていますが、非常用の水を家の中のどこに保存するのが良いのでしょうか?
A:水は分散して保存しましょう。

あらゆるところに置いておかないと、どの部屋で被災するかわかりません。
特に寝室で被災した場合、飲み水がないと生きていけないかもしれないのでベッドの下に置いたり、段ボールのままリメイクシートなどを貼って保存するのがいいです。
私はトイレにも水を置いています。
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「パッククッキング」調理法
避難生活を送る中でより少ない水で調理ができるテクニックが、ポリ袋を使った「パッククッキング」調理法です。
「パッククッキング」は、耐熱性のポリ袋に具材を入れて鍋でゆでるだけなんです。
例えばごはんを炊く場合、お米をポリ袋に入れて人差し指の第一関節分まで水を入れたら、水を張った鍋に入れ火をつけて約20分でできあがります。
卵や野菜などの食材も、それぞれポリ袋に入れれば一緒の鍋で加熱して調理することが可能です。
使った鍋のお湯は再利用することができ、袋のまま並べればお皿が必要なく洗いものも出ないため、貴重な水を大切に使うことができるということなんです。

温かいものを一気に作るというのは災害時には難しくて、空気が冷えていますから意外とガスボンベを使うんですよ。
なので、お湯を沸かしてしまえばどんどん詰め込んで、時間差で湯せんで温めていく料理です。
カセットボンベとコンロとフライパンと蓋があればだいたいのものはお料理できるので、すぐに買いに行かなくてもおうちの物で何とか生きていけると思います。
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