新型コロナウイルスの検査数の増加に繋がるかもしれない新たな技術が登場!
このほど、島津製作所が、新たな検査キット「新型コロナウイルス検出試薬キット」を発表しました。
4月11日「めざましどようび」で取り上げていましたのでご紹介します。
島津製作所が開発した新たな検査キット
新型コロナウイルスに感染しているかどうかを調べるものといえば「PCR検査」ですが、これまでは結果の判明に長い時間(2時間以上)かかっていました。
島津製作所が新たに開発した「新型コロナウイルス検出試薬キット」を使うと、これまでの検査で行っていた煩雑な手作業を省くことができます。
検査に必要な人手を削減でき、結果として検査時間が1時間程度に短縮されるということなんです。
そうなれば、かなり多くの人が検査を受けられ、結果も判明できることになるわけです。
国内の保健所や検査会社に向け、4月20日から販売を開始、5月以降は海外輸出も視野に準備を進めるということです。
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PCR検査の流れ
新型コロナウイルスに感染しているかどうかを調べる「PCR検査」ですが、島津製作所によると、その大きな流れとしては
というものです。
こうした一連の工程の中で、手間と時間がかかるのが②の抽出・精製という作業で、これに1時間ほどかかるそうなんです。
今回、島津製作所が発表した検査キットでは、②の手間と時間を省くことができ、2時間以上かかっていた検査の全工程を、およそ半分ほど短縮することができるようになったということなんです。
しかも、②の抽出と精製の工程に必要だった人手もカットできるということで、検査人数の増加に繋げることができます。
開発した島津製作所によると、国立感染症研究所が定めた評価方法で性能を検証したところ、「陽性・陰性の一致率」がいずれも100%という結果だということなんです。
クラボウの抗体検査試薬キット
実は、新型コロナウイルスの検査については、今回の発表とは別の検査キットが、違う会社から先月発売されているんです。
クラボウという会社が開発した「新型コロナウイルス抗体検査試薬キット」です。
これは、新型コロナウイルスの抗体があるかどうかを調べるもので、少量の血液と試薬を使い、15分で抗体の有無が判別できるということです。
中国での臨床実験では、およそ95%の精度で検出できるという結果が出ているということなんです。
昭和大学医学部・二木芳人客員教授によれば…

この抗体検査キットと、島津製作所の検査キットを併せて使うことで、より精度の高い感染の判別が可能になります。
問題は、検査現場の人不足です。
状況の改善のためには、インフラだけでなく、それを使える人材の確保も必要となります。
島津製作所「新型コロナウイルス検出試薬キット」
島津製作所のホームページによる詳しい内容はこちらです。
煩雑な手作業を省き、検査時間を半分に
「新型コロナウイルス検出試薬キット」を発売![]()
新型コロナウイルス検出試薬キット
島津製作所は、4月20日にかねてより開発を進めていた「新型コロナウイルス検出試薬キット」を発売いたします。当面は国内のみの販売となりますが、5月以降の海外輸出も視野に入れて準備を進めてまいります。
現状の遺伝子増幅法(PCR法)による新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の検出では、鼻咽頭拭い液などの試料(検体)からRNAを抽出して精製する煩雑な作業が必要です。これが多数の試料を迅速に検査する際の妨げになってきました。本キットの使用によってRNAの抽出・精製工程が省けるため、検査に要する人手を大幅に削減でき、かつ2時間以上かかっていたPCR検査の全工程を従来の半分である約1時間に短縮できます。96検体用PCR装置を用いて、96検体を検査した場合でも1時間半以内で行えます。また、手作業を行わずに済むため、人為的なミスの防止にもつながります。
「新型コロナウイルス検出試薬キット」は、当社独自のAmpdirect技術※1 をベースに国立感染症研究所のマニュアル※2 に沿って開発しました。同技術は「生体試料に含まれるたんぱく質や多糖類などのPCR阻害物質の作用を抑制できるため、DNAやRNAを抽出・精製することなく、生体試料をPCRの反応液に直接添加できる」というものです。島津製作所は、これまでにAmpdirect技術を用いて、腸管出血性大腸菌やサルモネラ属菌、赤痢菌、ノロウイルスなどの病原体検出試薬を開発・販売しており、ここで培った技術を応用して新型コロナウイルス検出試薬の開発を行いました。
ー島津製作所ホームページより引用
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日本のPCR検査実施検査数が伸びない原因のひとつに、保健所の人手不足が挙げられているということなので、時間当たりの検査数が増えていくことが期待されます。