感染爆発危機の中、再び迎える「外出自粛」の週末…
4月3日現在、感染者が全国2,900人超と新型コロナウイルスの猛威は依然拡大中の中、今もなお”感染者ゼロ”なのが、東北の岩手県と、山陰の鳥取県・島根県の3県です。
一体なぜ、この3県だけ”感染者ゼロ”なのでしょうか?
自粛疲れが叫ばれる中、感染者ゼロの鳥取県には、他県から「コロナ疎開」に訪れる観光客が増加しており、地元の人からは複雑な声も上がっています。
4月3日「Live News it!」の「はてな(ha te na)」で特集をしていましたのでご紹介します。
鳥取県の感染防止対策は?
およそ半月前の3月16日、47都道府県の中で感染者が確認されていない地域は11県ありました。
しかし、感染は一気に広がり、今も”感染者ゼロ”をキープするのは、鳥取・島根・岩手の3県だけになりました。
一体なぜこの3県からは感染者が出ていないのでしょうか?
鳥取県を取材すると、鳥取県周辺のマスク着用率は約半数で、首都圏と比べても感染予防に特に際立った点はないように感じます。
鳥取県民に聞くと…

感染者が出ないのは人口が少ないからかも?
普段マスクはしません。
人が密集してる場所に行くときにはします。
都道府県別の人口を見てみると…





他県から鳥取県へのコロナ疎開に困惑
ところが、一方で危機感が高まっている場所もあります。
県内有数の観光名所鳥取砂丘の駐車場には、東京をはじめ関東各地のナンバーの車がズラリと停まっていました。
感染者ゼロであることに加え、開放感たっぷりの環境という安心感から、自粛ムードの中でも大賑わい、人々の間では「コロナ疎開」とも称されています。
しかし、地元からは危機感を訴える声もあがっています。

ちょっとやめてほしい。そんなに医療も発展していないし…

地元の人は安心しているわけじゃないです。こうやって県外から来てる人もいるから…
感染症の専門家(昭和大学医学部・二木芳人客員教授)からもこんな指摘が…

今、感染の拡大が進んでいるところから旅行に行くとかレクリエーションで行くというのは、感染が持ち込まれる可能性があるので、慎重に考えていく必要があると思います。
一方で、地元ではこの現状を複雑な思いで見ている人も…
鳥取市内のホテルでは、例年の春の観光シーズンは予約でほぼ満室なのですが、今年は空室が目立ち、稼働率は大体30%という苦しい状況になっています。
少しでも観光客が来てくれれば嬉しいという正直な思いと、感染への不安との”はざま”で苦しんでいたのです。

ホテルを開けている限りは人件費も維持費もかかるので少しでも泊まっていただきたいというのはありますが、コロナウイルスを持ち込まれるんじゃないかっていう不安はすごくあります。
今はとりあえずおとなしくしていただきたいなって思います。
”感染者ゼロ”の街で強まる「危機感」
迫るコロナの脅威に、鳥取県の平井知事は…

地元でも正直、いろんな声がありまして、悩ましいところです。
なかなかうちには感染者が出なかったので、その間に部隊を動員して準備を整えて敵を迎え撃つ態勢を整えてきました。
お年寄りも多い地域でありますので、重症化することが懸念されます。
自粛されているような地域からいらっしゃる場合は、自粛するという呼びかけの意味があるわけですから、それをぜひ理解して行動していただきたいと思います。
岩手県の対策とは?
では、岩手県はどうでしょうか?
地元の方からは、岩手のこんな県民性をあげています。

真面目な県民性だから、手洗いをきちんとしている

人口密度が低いし家にこもりがちな県民性だから
岩手が発表した対策を見てみましょう。
今まさに、自治体のトップのリーダーシップが問われているということかもしれませんね。
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まとめ
自粛疲れだからといって、感染者ゼロで頑張っている県に、他県から「コロナ疎開」に訪れるというのはどうなのでしょうか?
たとえ無症状でも、自分が感染者かもしれないという意識を常に持って行動しなければ、感染爆発は防げないと思います。
鳥取県の平井知事の言った「自粛されているような地域からいらっしゃる場合は、自粛するという呼びかけの意味があるわけですから、それをぜひ理解して行動していただきたいと思います。」
この言葉の意味を、一人一人、自分が今どうするべきなのかを考えてから行動しなくてはいけないと思います。
4月7日追記:
鳥取県の平井知事は4月6日、『緊急事態宣言が出された地域からの訪問は避けて欲しい』との考えを示しています。(4月6日めざましテレビより)